遺品をアップサイクルし、トレーサビリティで記憶を未来へつなぐ

IHIN YURAI
遺品をアップサイクルし、トレーサビリティで記憶を未来へつなぐ
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IHIN YURAI リーダー / 合同会社GIGAPUPUPU 代表 榑林大和(クレバヤシヤマト)


目に見えない頑張りを可視化し、その価値を評価ではなく承認で受け止める未来へ。

私たちは、頑張りの価値を評価ではなく承認で満たす社会を目指すプロジェクトです。
学生に限らず、社会人も、家庭を支える人も——誰の頑張りであれ、私たちが目にしているのは、氷山の一角にすぎないのではないでしょうか。その水面下には、点数にも合否にも変換されない、目には見えない頑張りが眠っているはずです。そこで開発したのが、Webアプリ「あしあと」です。生活史を入力すると、AIが既存の研究データと照らし合わせ、その経験がどのような社会情緒的スキル(非認知能力)につながっているのかを描き出します。それを見た他者が、その人の歩みの中に真価を見出す。その積み重ねの先に、評価ではなく、歩んできた道のりそのものが認められる未来があります。
学生時代、私はスポーツ、音楽、芸術、生徒会、ボランティアなど、さまざまな活動に時間という機会費用を注いできました。しかし、それらは結果としてかたちに残らなかったり、言葉で伝えにくかったりする、見えない頑張りでした。入試や就職の場面ではほとんど評価の対象にならないと気づき、生きづらさを感じた時期があります。
研究を進める中で、それらは「非認知能力(社会情緒的スキル)」という、OECDが社会経済的な成果に影響を与えると定義する力に深く関係していると分かりました。その後、社会哲学者アクセル・ホネットの承認論に出会い、「認められなかった」痛みこそが、社会を変える力の出発点になると知りました。自分が抱えてきた生きづらさは、個人の弱さの問題ではなく、承認の仕組みが欠けた社会の問題として捉え直せる——そう気づいたことが、本プロジェクトの出発点です。
目に見えない頑張り——非認知能力(社会情緒的スキル)——を、点数や順位という指標で測ろうとするならば、指標を得ることそのものが目的化し、本来育つはずだったものが、かえって歪められてしまいます。ゆえに、非認知能力は「評価」ではなく、「承認」を通じてこそ、正しく育まれ、正しく捉えられるのではないでしょうか。これが本プロジェクトの中心的な仮説です。
「見えない頑張り」をAIで可視化し、それを他者に見てもらい、応答を受けることで、承認へと変えていく、3カ月間の実証実験。
1. 講座|非認知能力に関する基礎知識を伝える場を開催
2. 可視化|参加者に生活史を入力してもらい、AIによる非認知能力の可視化結果を提示
3. 比較検証|可視化結果を家族・友人など身近な人と、初めて出会う人それぞれに見せ、応答の違いによる納得感・継続意欲の差を検証
4. 発信|実験報告会や100BANCHでの活動を通じて、承認を実際に経験する場を広げる
「見えない頑張り」が承認される仕組みを、実証データと共に具現化する
1. AIによる可視化にとどまらず、他者からの応答へとつなげる新しい承認アプリを開発
2. 50名以上の利用者から、身近な他者・初めて出会う人それぞれの応答データを収集
3. 収集データの比較・分析
4. 学術研究へ接続
100年後、教育のかたちは、一律のカリキュラムから、一人ひとりの個性に根ざした学びへと姿を変えているはずです。しかし、そこで新たに重視される力が、再び新しい物差しとして取り込まれてしまえば、それは新たな点数化・序列化に過ぎず、頑張りの価値が結果に換算されないという理由で、再び見過ごされることになります。
だから目指すのは、物差しをつくり替えることではありません。評価とは別の場所に、頑張ってきたことの価値を、結果に換算せず、そのまま受け止められる場所が、学校にも、地域にも、当たり前のように存在している。そんな未来です。

Design of Recognition リーダー大沼奨平
福島県出身。高校卒業後、カナダへの留学を経て、社会哲学者アクセル・ホネットの承認論に出会う。Webアプリ「あしあと」を独自に開発し、非認知能力の承認をデザインする研究に、一人で挑んでいる。
プロジェクトページに掲載している内容は特段の脚注がない限り入居時点の情報です。