• イベントレポート

「犬との暮らしを、“プランニング”する時代へ〜新米ドッグプランナーの挑戦〜」──ナナナナ祭2025を終えて

クリエイティブの力で、犬に対する価値観をアップデートするプロジェクト「Next1Dogs project」は、「ドッグプランナー」という職を起点とし犬に対する価値観やリテラシーをアップさせることに取り組んでいます。
ナナナナ祭2025では「ドッグプランニングお試し体験」を実施。自分と仲良くなれそうな犬種をドッグプランナーに教えてもらえる「あなたのベストフレンド犬診断」や犬の雑学クイズなどを来場者に体験してもらいました。今回の実験の狙いや、当日まで試行錯誤して「ベストフレンド犬診断」をつくっていった模様を、Next1Dogs projectの相場が振り返ります。

はじめに|1番遠くから犬を抱きしめたい。

「1番遠くで犬を抱きしめたい」をコンセプトに活動してきたNext1Dogsは、ナナナナ祭で“犬と人の関係性”をテーマにしたブースを出展しました。

Next1Dogsが目指すのは、ペット産業の見えにくい課題に対してあえてど真ん中ではないポジションからアプローチしながら、犬と人間に対して共生のカタチを問い直すきっかけを作り、より良い共生社会を創ることです。その第一歩として、今回ナナナナ祭のブースでは、犬好きに偏るのではない実証実験ができたことは世の中の声を知る貴重な機会となりました。

今回の実験では「ドッグプランナー」という新しい職業の存在とニーズを可視化するため、「ドッグプランニングお試し体験」とし、以下のプログラムを実験しました。

  • ベストフレンド犬診断(性格やライフスタイルから最適な犬種を提案する)
  • お迎え前のゼロから相談(飼うかどうかも含めた“超・初期相談”を実施)
  • 犬の雑学クイズ(楽しみながら知識を得られるエンタメコンテンツ)
  • オリジナルグッズ物販(誰でも参加できる導線作り)

ナナナナ祭3日間では、「犬=かわいい」以外の部分に焦点をあてた選び方に対するニーズを調査・検証することができました。

 

“ベストフレンド犬診断”が自己理解を促す?

アンケート結果から、来場者の犬に対する関心や価値観や様々な傾向が見えてきました。

体験者の約8割が現在犬と暮らしていない人たちでした。しかしその中に「これから迎えたい」「いつか犬と暮らしてみたい」と潜在的に考えている層が多いことにも気がつきました。また、犬を迎える場所はペットショップを選ぶ人はごく少数で、多くの人が保護団体やブリーダーから迎えたいと考えている、「社会的意識の高さ」も伺えました。

しかしそんな消費者のニーズに反して、現状ペットショップに足を運ぶ人の数は半数以上。このギャップこそ、Next1Dogsが埋めるべきミッションのひとつなのだと強く感じました。(結果が、皆「ペットショップで迎えたい意識」だったら、そもそもNext1Dogsの取り組みに共感してもらえる土壌作りが大変と思っていたので、希望が見えた)

さらに、犬を “見た目”や“犬種”よりも「性格や相性」重視で選びたいという傾向が際立っており、“見た目”・“犬種”・“価格”で提案されるペットショップに、新たな価値が求められている時代に突入しているという私の仮説が立証される喜びを、データをベースに知ることができました。そこから「犬について知りたいのに知らないことが多すぎる」という声や、犬は「飼った後の事後にしか相性がわからないと思っていた」など、漠然とした不安を抱えている人が多く、だからこそ中々、犬を飼うことに踏み切れないという悩みや課題(ニーズ)も見えてきました。

参加者は犬に興味がある人もいれば、全くの犬ビギナーという人が大多数を占める中、今回高い満足度を得ることができたのは、この「診断」というキラーコンテンツが、入り口となり自分ごと化しやすくしていることが1番のポイントだと思いました。これは本当に自分の仮説のねらい通り。

自分自身も普段なら中々耳を傾けてもらえない、ニッチな犬の話をしても、自分の診断で出てきた子の話なら聞きたいという消費者意識の高まりを感じたことが大きな成果と、結果的に自信につながる大きなきっかけになりました。

(診断中の私の心の声)え、、、めちゃくちゃマイナーな犬の話しているけど、めっちゃ興味あるじゃん?!今すごい犬オタクっぽい会話成立してるよ?すごくない!!?と言った感じ

 

ドッグプランナーという存在の可能性

また、今回のナナナナ祭のために100BANCHのメンバー含め、たくさんの人に協力してもらったことで、会社員をしながら出展することができました。他の100BANCHメンバーに何度か、診断の実験相手になってもらい、具体的なフィードバックをもらいました。

例えば、最初は「あなたに似ている犬診断」を予定していましたが、犬にそこまで興味がない層からしたら共感しづらいよと、犬オタクの私にはなかった視点がもらえたり。診断に説得力を持たせるために、チャート表を作った方がいいよ。犬オタクの見えている世界をもっと可視化した方が良い、など様々な貴重なアドバイスをもらい、改良を重ねた結果今の「ベストフレンド犬診断」があります。

その結果「ベストフレンド犬診断」は最終的に満足度100%という成果を残すことができ、ドッグプランナーの可能性と需要を肌で感じることができました。

そして改めてNext1Dogsでは今後、

  1. 「ドッグプランナー」という新職業の社会実装
  2. ドッグトレーナーとの連携による社会的地位向上
  3. 「余剰犬」に新たな価値を与え、流通過程でのもったいないを無くす

上記三つのミッションを自信を持って取り組んでいくことができそうです。

 

まとめ|犬にも人にもやさしい社会をつくるために

Next1Dogsの挑戦は、「犬を飼う」ことから始まるのではありません。“犬とどう生きるか”を自分ごととして捉えるための前手の体験を、いかに説教くさくなく伝えるかです。「犬って面白い」そう思っていただける母数を地道に増やしていくこと。皆が、犬に向ける“まなざし”がもっとやさしくなる社会を目指しています。

今回のナナナナ祭では、犬を飼っていない人も、飼ってみたいけど不安な人も、すでに飼っている人も、みんなが犬の目線に立って考える良い機会を提供することができました。

  • 犬と人間の新しい関係性に関心のある方
  • ペットショップや保護団体の現状に問題意識を持つ方
  • イラスト・診断・体験設計に関わりたい方
  • 自分の街でも「ベストフレンド犬診断」を広げたい方

→ぜひぜひお声がけください!

 

さいごに|犬との暮らしを、ちゃんと“プランニング”する時代へ

Next1Dogsは、犬と人の相互理解から生まれる、ワクワクする共生社会を目指して活動を続けます。「ドッグプランナー」という、犬と人のあいだの“伴走者”が当たり前になる未来を作るよう頑張りたいと思います!

 

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