
「テクノロジーという「新たな自然」の中で、想像の旅へ誘う新たな聴覚体験を」100BANCH実験報告会

100BANCHで毎月開催している、若者たちが試行錯誤を重ねながら取り組んできた“未来に向けた実験”を広くシェアするイベント「実験報告会」。
これからの100年をつくるU35の若手リーダーのプロジェクトを推進するアクセラレーションプログラム「GARAGE Program」を終えたプロジェクトによる100BANCHでの活動報告や、100BANCHでの挑戦を経て、プロジェクトを拡大・成長させた先輩プロジェクトによるナビゲータートークを実施しています。
2026年4月22日に開催した実験報告会では、自然としてのテクノロジーを背景に、「音」を媒介にして想像の風景を旅する新たな聴覚体験の探求に取り組んでいるGARAGE Program59期生「Sound Airport」の佐野風史をナビゲーターとし、GARAGE Programを終了した8プロジェクトが活動を報告しました。
本レポートではその発表内容をお伝えします。
髪を15秒で乾かす!技術が生む小さなHAPPYを、社会にあまねく広げたい。
登壇者:橋本侑奈
プロジェクト詳細:https://100banch.com/projects/dry-fun

「Dry Fun」は、ドライヤーの時間を劇的に短縮する全く新しい吸水デバイスの開発を通じて、髪を乾かす面倒な時間を笑顔の空間に変えることを目指すプロジェクトです。
橋本:4,200時間。突然ですが、これは何の時間だと思いますか?実はこれ、女性が一生のうちにドライヤーに費やす平均時間なんです。なんと中学校の総授業時間の約3年分に相当します。ヒアリングしてみると大半の人がドライヤーの時間を「めんどくさい」と答えるにもかかわらず、とにかく時間のかかることを一生やり続けるという不思議な現象が世界中で起きています。私自身、バスケをやっていて1日に2回お風呂に入る日もあり、毎日のドライヤーが嫌だな、どうにかしたいなと思ったのがプロジェクトのきっかけです。
私は電気工学を専攻しているので、髪を早く乾かすのに必要な風量と熱を計算してみたところ、ドライヤーだけで髪を15秒で乾かそうとすると、台風2個分の風もしくは300℃の熱が必要になり、現実的ではないことが証明されてしまいました。そこで、机にこぼれた水をタオルで拭くように、髪も吸水した方が早く乾くのではないか?という仮説を立てました。通常タオルドライでは、指が当たる5箇所程度にしか圧力がかかりません。それを踏まえて私たちは、秒速ドライを実現する吸水デバイス「Dry Fun」を開発しています。「Dry Fun」は、タオル以上に吸水する素材を使用し、層構造にすることで髪と触れる表面積を従来の約20倍に増やしています。エクステを使った実験では、ドライヤーにかかる時間を87%カットでき、熱や摩擦によるダメージレスにもつながるというデータが取れました。ヒアリングや事前調査を行うと、300人以上の方から「買いたい」という声が集まりました。
100BANCHでは、吸水素材の実験や、どうすれば早く乾くのかという仕組みの実験を重ねてきました。私は名古屋から通っていたのですが、100BANCHはドライヤーを使っても、物をどれだけ広げても怒られない場所です。24時間開いているので、まるで合宿のように1人で来て実験に没頭していました。普通のパソコンを広げるだけのスペースでは絶対にできない活動をさせていただきました。こうした実験を続ける中で、ピッチ大会で勝ってインドへ行かせていただいたり、「みんなの夢 AWARD」への登壇、「STATION Ai」 への半年間の入居、別の支援プログラムへの採択など、100BANCHを通して続けてきたものが色々なことにつながり、少しずつ花開きはじめています。

「現在はプロトタイプの骨組みができ、一部、資金調達ができた段階です。6月頃までに特許の申請やOEMの検討を進め、8月にMVP(実用最小限のプロダクト)を完成させ、年内のプレリリースができたらいいなと思っています。Dry Funを通して、笑顔の輪が広がる空間をつくっていきたいです。」と橋本は話しました。
人と人の間にある「アイス」を溶かし、仲良くなれる世界を探究する研究所
登壇者:伊藤詩奈、一柳秀憲
プロジェクト詳細:https://100banch.com/projects/beflat

「be♭」は、人と人との間に生まれる気まずさを溶かすアイスブレイクの研究を通じて、「楽しい」でもっと仲良くなれる世界を目指すプロジェクトです。
伊藤:私の好きな食べ物ランキングのトップ3は、3位タコス、2位餃子、1位お好み焼きです。いきなりでしたが、これはアイスブレイクのひとつで、私自身、みんなが盛り上がって仲良くなれる空間が大好きで、そうした場をつくるための「緊張を解く対話」を探究してきました。私は高校生の頃から対話についての探究をはじめ、友情や社会、競争など様々な硬いテーマについても考えましたが、結局は、人と人とのつながりがすべてで、そこが改善されることで社会はもっと良くなるのではないかと考え、アイスブレイクに着目しました。現在は、人と人の間に生まれる気まずさだったり、いわば「アイス」をなんとなく溶かしてしまう「アイスブレイク研究所」として活動しています。
2月から100BANCHに入居し、例えば「2度目まして」のような気まずい瞬間を楽しくする発明品「MelTOY」をつくりはじめました。「MelTOY=アイスブレイクできる日用品」として、相槌が楽しくなるネイルや、寿司で自己紹介ができるボードゲーム、本物のシンデレラを探す自己紹介ゲームなど、雑貨からパーティーゲームまで、色々なものを実験・開発してきました。しかし、その中で壁にぶつかりました。開発に時間やコストがかかってしまうという問題です。また、アイスブレイクが必要になる瞬間は突然起こるものなので、もっと「アイスブレイクしたいときにすぐ使える」ことにフォーカスすべきだという結論に至りました。そこでアイデンティティを「持ち運べる」と再定義し、4月には「いつでも!どこでも!誰とでも!」を目標に、新しい「MelTOY」は仲良くなれるバッグチャームへと生まれ変わりました。このバッグチャームは、ミニチュアサイズのボードゲームやミニゲーム、会話の相槌に使えるリアクションのチャーム、デコレーション用チャームを自由に組み合わせて、アイスブレイクしたいタイミングですぐに使えるプロダクトです。ターゲットは高校生から30代までの男女で、友達と盛り上がるためにボードゲームで遊ぶ層や、ファッションとしてバッグチャームを取り入れる層を想定しています。

「MelTOYは『盛り上がる × かわいい』で、新しいアイスブレイクの形を提案したいと思っています。5月から7月までの間に4回のイベントに参加し、販売を通して需要を確かめたいと思っています。Instagramでも、私たちのアイデンティティが伝わるような制作の様子を発信しているので、ぜひチェックしてください。」と伊藤は話しました。
廃棄率90%!? 未活用のカシューアップルからつくる、ガーナ発の誇りの循環
登壇者:寺田瑛梨
プロジェクト詳細: https://100banch.com/projects/potentia

「POTƐNTIA.」は、ガーナで大量廃棄されている未利用果実カシューアップルを活用し、農家の第二の収入源創出と、誇りの循環を生み出すことを目指すプロジェクトです。
寺田:私たちが普段食べているカシューナッツは、実は「カシューアップル」という果実の種の部分です。ガーナではカシューナッツが主要産業ですが、実は果実が地面に落ちてから収穫されるため傷みやすく、コールドチェーンも未整備なため、なんと年間約145万トン、実に90%のカシューアップルがそのまま捨てられています。そこで私たちは、ネットを設置して腐敗を遅らせ、現地の工場と協力して常温保存・輸送可能なジュースに加工し、新しい飲料として市場につなげる仕組みをつくろうとしています。ただの「ジュース屋」ではなく、農家には「自分がつくったものがおいしいものとして選ばれている」という誇りを、消費者には「自分や社会のために良い選択ができた」という誇りを生み出す、そんな「誇りの循環」をつくることが目標です。
2月の100BANCH入居当初は、「日本市場はストーリーで選ばれやすいのでは」「クセを抑えながら他のフルーツとミックスすることで受け入れられるのでは」「カフェなど既存の飲食店のチャネルを活用することで広く体験されるのでは」という3つの仮説を立てて検証を進めました。しかし、試飲会やフードピッチコンテストに出場し、フィードバックを得た結果、これらの仮説との大きなズレが明確になりました。1つ目は、日本への輸送コストが大きく、農家の収入最大化という目的と矛盾してしまうこと。2つ目は、他のフルーツと混ぜずとも単体で「アルコールのような深みがある」とポジティブな評価を得られたこと。そして3つ目は、ToBチャネルにおいて、提供時に飲食店側で加工や再編集されてしまうため、私たちが一番伝えたいストーリーが消費者に届かず消えてしまうということです。活動を進める中で、ガーナの農家の収入を最大化するには日本市場は妥当ではないことがわかりました。また、私には「より多くの日本人が自分のポテンシャルに気づき、誇りを持つきっかけをつくりたい」という強い思いがあるのですが、飲料という形は消費体験として一過性になりやすく、人の内面的な変化を生むプロダクトとしては相性が悪いのではないか、という課題も見えてきました。

「ここから3ヶ月間はGARAGE Programを延長し、カシューアップルドリンクをどの市場でどう扱うのが最適なのかを判断する期間にします。7月のナナナナ祭では、ストーリーや問いを組み合わせた体験として提供することで、飲料という形でも人の内側に変化を起こせるのかを検証します。同時に、輸出に頼らずガーナ国内で価値を最大化できる販売モデルが成立するのかどうかも確認していきたいと考えています。」と寺田は話しました。
藍文化と身体で出会える「喫藍」で、伝統が五感で継承される未来をつくる
登壇者:田中マサト
プロジェクト詳細:https://100banch.com/projects/kitsuai

「KITSUAI」は、染めるものとして知られる「藍」を五感で味わう新たな文化体験の創出を目指すプロジェクトです。
田中:喫煙の「喫」に「藍」と書いて「喫藍」といいます。僕は大学院で藍染を研究し、日本中の工房や発信地を巡ってきました。そこで感じたのは、「染め」というアプローチだけでは、すでに行き着くところまで行ってしまい、新しい展開が生まれない状況が20年ほど続いているということです。伝統文化はハードルが高く、染工房に行かなければ体験できないなど、若年層との接点が圧倒的に不足しています。化学染めが便利に普及している今のライフスタイルの中で、藍をもっと面白いコンテンツにして日常的なものにしたいという思いから活動をはじめました。
そこで僕たちが提案しているのが、プロダクトと体験、そしてカルチャーを掛け合わせた新しい嗜好品です。具体的には、藍染めに使う葉を水タバコ(シーシャ)のフレーバーとして転用し、それを味わうワークショップや、藍をお茶として飲む体験などを提供しています。開発した藍のシーシャフレーバーは、葉の香りと、ほのかに甘いお茶のような香りが特徴です。現在のシーシャ界隈では強い香料に疲れた層による「ノンアロマ」の需要が増えており、藍本来の香りを活かしたノンアロマのフレーバーがいいのではないかと考え、成分の配分などを実験しています。他にも、シーシャフレーバーを詰めるオリジナルの陶器製のボウルの制作などもおこなっています。こうした活動を通して、日本の伝統文化とシーシャカルチャーという全く関係のない分野が交わり、思いもしなかったものが生まれるという実感を得ました。例えば、僕が 「COSMO BOWL」 というブランドのボウルを藍染めして発表したところ、メーカーから「世界で売ろうよ」と声がかかり、現在、他のメーカー含め3社とやり取りが進んでいます。シーシャを媒介に藍染めを広げる動きが、実際にはじまりつつあります。100BANCHでは体験をベースに活動する予定でしたが、思いのほかプロダクトとしての動きが発展していきました。

「今後はGARAGE Programを延長し、プロダクトだけでなく体験もどんどん増やしていきたいです。所作の中から自然と藍文化を知れる仕組みづくりや、藍農家と連携して葉の価値を高めていくこと、そして藍染工房と連携してボウルを染めることで需要を回していくなど、新しい循環をつくっていきたいと思っています。」と田中は話しました。
自分らしさを育てるAI研修・探究授業で、行動意欲と共創力が芽生える社会へ。
登壇者:外所祐香
プロジェクト詳細:https://100banch.com/projects/ikigai

「ikigAI」は、AIビジョンボードを活用した企業研修と大学授業を通じて、学生と若手社会人の自己理解やライフデザイン確立を支援し、行動意欲と心理的安全性の向上を目指すプロジェクトです。
外所:私たちが向き合っている社会課題は、若者のアイデンティティ・クライシスの問題です。ソーシャルメディアのプレッシャーや予測困難な社会の中で、「自分が何者か」「どう生きていくのか」と思い悩む人は少なくありません。既存のセッションは1回200ドルほどと高額で、画一的になりがちでスケールしにくいという課題があります。それに対して私たちは、月20ドルで個別最適化され、グローバルに展開できるモデルを描いています。その一番の核となるソリューションが、自分の生きがいを絵にして可視化する「AIビジョンボード」です。100BANCHに入居した際のユーザー数は2,000名弱でしたが、現在は30カ国、2,500名へと広がっています。
100BANCHでは、若者に向けたライフデザイン支援の有効性を検証してきました。「抽象的な将来像を具体化できるか」「主体的な選択軸を整理できるか」「ネクストアクションへ接続できるか」「短時間で価値観やライフデザインを可視化できるか」という4つの仮説を立て、自治体と連携しワークショップをおこなってきました。90分のワークショップは、「自己理解」「ライフデザイン」「行動接続」の3段階で設計し、参加者には私たちが開発したAIのボードとライフデザインシートを用いて内省してもらいました。AIやデジタルという若い世代に身近なツールを使うことで、90分という短い時間でも一人ひとり全く違う個性を反映した将来像を可視化することができました。事後アンケートでは、設定した7項目すべてで参加後の平均評価が向上し、約4分の3の参加者がプログラムに満足したと回答しています。この実験から、一方的な座学に比べて、ワークショップ形式の方が「自分の中での解像度が上がり、アウトプットできるレベルに消化できた」という手応えを得ることができました。一方で、「うまく見せなければいけない」とプレッシャーを感じ、素直な意見を出せなかった人は満足度が低くなる傾向も見られ、これは今後の改善課題だと捉えています。
「今後は、LINEやWebアプリの開発を進め、若者たちが自分らしい生き方を見つけられるよう、継続的にサポートしていく仕組みをつくっていきます。」と外所は話しました。
ひとりごとの力で、「勉強したのに英語が話せない」人をゼロにする!
登壇者:川上知宏
プロジェクト詳細:https://100banch.com/projects/echo

「Echo」は、日常の言語学習に「ひとりごと」を活用し、「読む・聞く・書く・話す」の4技能すべての言語運用能力を相乗的に高める、新しい言語学習法を提案するプロジェクトです。
川上:私たちが解決したいのは、「たくさん勉強してきたのに英語が話せない」という非常にシンプルな課題です。私自身、修士課程で参加した国際学会や、新卒で入った会社で自分以外全員が海外出身という環境に置かれたとき、英語をかなり勉強してきた自信があったにも関わらず、思うようにコミュニケーションが取れないことに大きな挫折を味わいました。何が間違っていたんだろう、という問いと向き合ったことが活動のきっかけです。
現在の日本の英語学習は、大学受験に向けて単語や文法を完璧に勉強しようとする一方で、「話したい人、会話を学びたい人は英会話教室に行ってください」という二極化された構造になっていて、ここには壁があります。私たちは、その間に「1人で口に出して発話してみる」という気軽なアウトプットのステップが必要だと考えています。学んだら1人で言ってみる。その先で人と会話をし、言えなかったことがあればまた1人で言い直してみる。話すという行為は「知識」よりも「運動」に近いと思っていて、筋トレのように日々鍛えていくことが必要です。100BANCHに入居した時点ですでにアプリをリリースしており、発話へのフィードバックや記録の機能はありました。しかし、「そもそも何を言ったらいいかわからない」という、初心者にとってのハードルの高さが課題でした。そこで、入居期間中は、発話のハードルを下げる施策に重点的に取り組みました。
具体的には、言いたい日本語を入力すると中立的、カジュアル、フォーマルな言い回しの英語の翻訳がすぐに出てきて練習できる「お手軽翻訳機能」や、中学レベルの文法をベースにした「ドリル」を実装しました。ドリルはLLMを活用していて、正しい英語を話すことよりも「言いたいことが伝わっていたらOK」というスタンスで、どんどん発話を促す仕組みにしています。他にも、音声読み上げやリマインド機能、ウィジェット機能などを追加してきました。

「この6ヶ月間で多くの機能をリリースし、気軽に利用できるハードルを大きく下げることができました。実際に継続して利用してくださる方や、サブスクリプションに登録してくださる方も増えています。現在はiOS版のみのサポートとなっているため、次の大きな目標であるナナナナ祭に向けて、Android版の開発とリリースを進めていきたいです。」と川上は話しました。
イチから作る食体験で、自然と暮らしの距離を近づける。
登壇者:阿部峻也
プロジェクト詳細:https://100banch.com/projects/mud-about

「MUD ABOUT」は、食をイチからつくる体験を通じて、自然と暮らしとの距離を近づけることを目指すプロジェクトです。
阿部:これまで半年以上にわたり、横須賀の農園と提携して野菜を育て、火を起こして料理をするプログラムを実施してきました。参加者が肩書きを外して対話できる場として満足度は高かったのですが、個人的には大きな葛藤がありました。継続して来てくれる人が誰もいないんです。畑を借りている以上、2週間に1回は手入れが必要ですが、夏の暑い中、2時間かけて通ってはたった1人で草刈りをし、「なんでこんなことやっているんだろう」と悩む日々でした。そこで気づいたのは、農家さんが育てたものを最後に摘み取るだけの収穫体験では、そこに至るまでのプロセスを知ることはできず、継続して通う理由にはならないということです。であれば、みんなで過程を共有できる目的があればいいなと考えて立ち上げたのが「イチからカレーを作る」プログラムです。カレーは「今日はカレーにしようかな」と気軽に食べられているメニューですが、そのカレーにどれだけの手間や時間がかけられているかを再発見してほしいと思ったんです。コンセプトは「あえて遠回りをする」ことです。便利さの裏で見えなくなった過程に手触り感をもって関わることで、自分なりの豊かさの新しい基準をつくってもらう。そして1年後、参加者の心に「里山」をつくることを目指しています。
具体的なプログラムは、葉山や逗子を舞台に3ヶ月×3タームの9ヶ月間をかけ、一からカレーの完成を目指すものです。月2回の活動で、米づくりや器づくり、季節の手仕事、参加者同士のミートアップなどを行います。先日、15名の方に参加していただいたプレイベントでは、事後アンケートで100%の方が「とても楽しみになった」と回答してくれました。「土に触れることで食材の命を感じられた」「農作業によって新しい発見があった」といううれしい声もいただき、参加者同士の事前の交流をつくることで、期待感が醸成され、参加を検討中だった方の申し込みにつながるという成果も得られました。
「GARAGE Programは終了となりますが、5月から本格的にプログラムを開始します。もし気になる方がいらっしゃいましたら、ぜひお声がけいただければと思います。」と阿部は話しました。
「偶然の出会いを生み出す」AIが、新しい挑戦にあふれた社会を実現する
登壇者:髙松周平
プロジェクト詳細:https://100banch.com/projects/next-serendipity

「Next Serendipity」は「セレンディピティ(偶然の出会い)」に着目し、それをきっかけとした新たな挑戦を後押しするAIやサービスの開発に取り組むことで、新しい挑戦があふれる社会を目指すプロジェクトです。
髙松:100BANCHでの6ヶ月間は、私の漠然とした問題提起からはじまりました。最近、生成AIを日常的に使っている方も多いと思いますが、例えば「スライドをつくって」と指示したとき、なんだかイメージとは違うけれどそれっぽいものが出てくることがよくあると思います。私は普段AIの研究開発をしているエンジニアなのですが、このままAIが普及していくと、逆に人間側が、AIの想定する型に当てはめられてしまい、人間の表現や可能性がどんどん狭まっていくのではないかという危機感を抱いていました。これをアンチAIの姿勢で拒否するのではなく、AIのポテンシャルをもっと引き出すプロダクトをつくれないかと考えたのがプロジェクトの原点です。現在のAIツールは、性能を上げて人間の要求を推察する方向に進んでいますが、私は人間からAIへの指示の窓口であるUI/UXを拡張してあげるべきだと考えています。人間側がもっと自由にAIへ表現できるようになれば、型に当てはめられなくなっていくのではないかなと思います。
具体的なプロダクトとして開発しているのがスライド作成サービスです。既存のスライド生成AIに資料をつくらせてみると、意図しない構成にされたりと改善点が多く、一部だけ直したくても1からつくり直す必要があるなど、研究発表や営業などの実務では使いにくいのが現実です。そこで私たちが開発したのは、人間がスライドをつくる従来の作業フローの中に、AIをうまく埋め込むツールです。「ここにグラフが欲しい」「ここにこういうテーブルを置きたい」と人間がパーツや構成を定義し、その個別の具体部分をAIがつくる。単純な一括生成ではなく、人間と一緒にスライドづくりを手伝ってくれるパートナーのようなAIツールを開発しています。100BANCHでの半年間、構想段階から何度もスクラップアンドビルドを繰り返し、この4月にβ版を経て製品版のリリースにまで辿り着くことができました。最後の数ヶ月は、プロダクト開発のフェースから一歩進んで、実際にユーザーへ届けるためのリリースに向けた準備を重点的に進めてきた期間でした。
「今後はAI機能の精度のブラッシュアップを重ねつつ、特定の業界に特化した便利ツールとしての営業活動など、ビジネス面にも力を入れていきます。ナナナナ祭に向けた準備も進めていきたいと考えています。半年間、本当にありがとうございました。」と髙松は話しました。
実験報告会の各発表内容はYouTubeでもご覧いただけます。
Dry Fun https://youtu.be/SKJWdu-O60U?si=T-B0glCk7hCIRJFI
be♭ https://youtu.be/vCQ2V5TJ9lU?si=yAYLGa9TEU3u2v3g
POTƐNTIA. https://youtu.be/hpXYqQzrk9c?si=qblyq8c6TfPIXQLy
KITSUAI https://youtu.be/VjcYBfeMsz8?si=oG8zL0eQYwvrg1Zl
ikigAI https://youtu.be/02ZJmPleyWA?si=3ucEwI6PYV7lCX8M
Echo https://youtu.be/wmWbfuYiABw?si=9xvW21iiNy3ytz6o
MUD ABOUT https://youtu.be/pK8aCamugow?si=4GN0UlxPO8szXXLP
Next Serendipity https://youtu.be/KFzA5woD-uA?si=K7FrulUZMNWoc5H0
次回の実験報告会は5月22日(金)に開催。ぜひご参加ください!

(撮影:鈴木 渉)

【こんな方にオススメ】
・100BANCHに興味がある
・GARAGE Programに応募したい
・直接プロジェクトメンバーと話してみたい
・地域の文化や伝統に興味がある
・民俗芸能に興味がある
【概要】
日程:5月22日(金)
時間:19:00 – 21:30 (開場18:45)
会場:100BANCH 3F
参加費:1500円(1ドリンク付き)
参加方法:Peatixでチケットをお申し込みの上、当日100BANCHへお越しください
詳細はこちらをご覧ください:https://100banch.com/events/79315/